• テキストサイズ

彼女が□□した日。

第1章 虹。


神無町にこんな物件があったとは。


結局コウモリくんを追い続けて、最終的に私は見ず知らずの建物にたどり着いてしまっていた。


ぱっ


イオ「ん?
・・・て、あっ・・・」



ぽすっ


どうやらここがコウモリくんの目的地だったらしい。
コウモリくんは私がその建物を見ている隙に今の今までくわえていたてるてる坊主をあっさりと落とした。
御丁寧に、私が受取りやすいように。

右手に収まったてる坊。
・・・よかった。無傷みたいだ。
まさか無傷で返してくれるとは思ってなかったから、コウモリくんに「ありがと」と伝えた。
するとコウモリくんはどこかに飛んでった。


・・・で。
無事にてる坊を返してもらったのはいいとして、ここどこ?
普段中心街と我が家を行き来してるだけだから、それ以外の場所に連れて来られても土地勘が無い。




イオ「・・・・・・うーむ。
(なーんでコウモリくんは私をここに誘導したかったのかな。何か目的があってここに置いてけぼりにしたんだよね、きっと。・・・て事は、この家を訪ねろって事?)」




てる坊をトートバッグに着けながら、どうしようか考える。

何しろ目の前にででんと建っているのは普通の民家レベルじゃなくて、屋敷・・・豪邸・・・・・・洋館?そう、洋館だ。

さあ入れと言われても困る。
いかんせん私はホラー映画のヒロインとかみたいに真っ暗闇を突き進むような勇気は持ち合わせてなんかない。


どちらかと言えばその主人公を物語上ちゃっかりサポートする・・・・・・と、ぼーっと考えが脱線していた時だった。




「・・・ねえ・・・」

イオ「はーい?
・・・あ、初めましてー」

ぺこ


「・・・・・・うん・・・初め、まして」




誰かに声をかけられて、振り向けば1人の男の子が居た。

黒髪で、黒と緑が混じったような目。
うん、美形だ。
どこかやわらかな印象の彼はのんびりとした口調で挨拶を返してくれた。
/ 74ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp