第5章 マネージャー
「オレの気持ち、ちゃんと伝わったっスか?」
「うん...」
「よかったっス」
そう言って彼は、強く、強く...私の身体を抱き締めた。
私は彼の脇腹あたりの服をギュッと掴んで、そっと問う。
「涼太君、束縛、嫌い?」
「ソクバク?んーまぁ、そうっスね。ニガテ、スね...」
あーやっぱり...。
嫌われたくないよ...。
「でも、相手によるっスよ。メチャクチャスキなコにだったら、されてもいいっス!オレもするだろうし...」
「私は?...私がしたら、嫌いになる?」
怖い...。
答えを聞きたいのに、聞きたくない...。
「フッ、なんでスか!柚子にだったら、どんだけされてもいいっスよ!むしろ、して欲しいっス!」
涼太君、今...笑ったよね?
こっちは真面目に聞いてるのに...。
「ホント...?」
「ホントっスよ!当たり前のこと聞かないで」
「...あっ!ちょっ、涼太君!?」
いきなり耳をはむはむされた。
変な声、出ちゃったし...。
「んっ、やめ...」
耳朶を口に含まれ、ペロッと舐め上げられる。
それより...涼太君の体勢、中腰に近い。
キツくないのかな...?
でも、何故自分にソレを見る余裕があったのか、ナゾ。
こんなに感じてしまっているのに...。