第5章 マネージャー

「わぁ…！」


　体育館に入った瞬間、思わず感嘆の声を上げてしまった。
　きっと目もキラキラ輝いているだろう。


　マネージャーにしかわからない、キラキラしたこの景色…久しぶりなようで…新鮮なようで…。


　バスケの全てが私は、大好きだ。


「おい、お前ら。集合！」


「オッス！」


　先輩の一言で集まる彼らは、キツい練習が苦しそうだけど、輝いてる。

　皆、バスケ好きなんだなぁ…。


「柚子！」


　涼太君の顔を見て、微笑んだ。


「マネージャーなるヤツだ。ほら、自己紹介」


　先輩が私の方をチラッと見て、合図をしてくれる。


「はい！今日からマネージャーをやらせていただきます！花村柚子です。皆さんを精一杯支えていきたいと思います、宜しくお願いします！！」


　スタメン以外の部員は皆、困惑…というか迷惑そうな顔をしていた。


　私が…私が涼太君の彼女だから…。

　涼太君ほどの有名人になると、なんでも知られちゃうみたい……。

　まぁ、隠してる訳じゃないから、仕方ないのかも…。


「不満があるならオレに言え。マネージャーとして、コイツを入部させたのはオレだ。だか、コイツは帝光中の一軍でマネをしていた実績がある。お前らあんまり迷惑かけんなよ、特に黄瀬」


「えっ！？なんでオレっスかぁ！？」


　涼太君、楽しそう…あの頃とは、全然違う。


「部活中は付きまとうなよ！」


「当たり前っス！ソコんトコはちゃんとしてるっスよ！」


　特別扱いしない、ソレが涼太君を昔に戻した、一つの理由なのかな。