第1章 コワレル
次の日、教室に入ると、いつもの様に女の子達に囲まれてる黄瀬君がいた。
黄瀬君も私に気付いてたけど、昨日の今日で...声はかけられなかった。
黄瀬君...いつになったら、私を見てくれますか?...いつか私を見てくれますか?
「あっ、黄瀬君っ...激しっ」
昼休み、屋上に行くと、最悪な場面に出くわした。
黄瀬君が浮気をしてる、最中...。
今まで、何度も見てきたけど、やっぱり何回見ても慣れない...。
辛い...。
私とは絶対しない行為...。
それが出来たら、どんなに幸せだろう。
「きゃっ!ちょっと何見てんのよっ!!変態っ!」
ヤバイ、バレた...。
「花村っち、何してんスか...。早くどっか行けよ、変態...」
「...っ!」
服を乱して、他の女の人と繋がりながら、名前を呼ばれた...。
こんな屈辱的なことなんてない...。
なのにっ...なのにっ...どうして嫌いになれないの...?
気持ち悪くなって、お昼も食べずに、放課後までずっと保健室で休んでた。
ブレザーを着て、カーテンに手をかけた時、扉を開ける音がした。
「花村っち...?」
...え?...黄瀬君?どうしてここに......?
私は急いで、着たブレザーを脱いで、ベッドに潜り込んだ。
間もなくすると、カーテンを開ける音が聞こえた。
「花村っち...大丈夫スか?...さっきはごめんね......」
え...?どうして謝って......今まで、こんなことは...
黄瀬君は、私の頭を優しく撫でた後、チュッと音をたてた。