第5章 マネージャー
「なんかヘンなこと思ってないスか?」
「ふえっ?な、に...?」
「例えば、オレのチンコ見て、元に戻ってるのは、自分の所為だとか、ダメなカノジョだとか...」
あっさり自分が思ってることを彼に言い当てられて、わかり易く肩が大きく震えた。
もう、そうだと言ってる様なものだ。
「ハァ、柚子っち。ただ、こうなったのは、怖がってるカノジョにこんなにサカってる自分に嫌気が差して、萎えただけっスよ。それに柚子っちは、全然ダメなんかじゃないっスよ。サイッコーのカノジョっス!」
私が怖がってなきゃ、萎えてないってことだよね...。
黄瀬君のこと気持ち良くしたいのに、全然ダメじゃん......。
なのに、優し過ぎるよ、黄瀬君。
こんな私なんか彼女に相応しくないよ......。
優しくないし、意地ばっかり張って...困らせてばっかりで...汚れてて...面倒くさい家庭の事情。
いいとこなんてない。
......今日の試合のことで、黄瀬君の為にした行為なのに...。
「ごめんね、黄瀬君...ごめんね。...ごめんなさい...ごめんなさい.........」
謝り続けた。
自分がダメ過ぎて、涙が止まらない。
「なんで謝るんスか。謝らなきゃいけないのはオレっスよ。...あんなコトしなきゃいけない状況にしちゃって、ごめん。口ん中、気持ち悪いっしょ?」
「そんなこと、ないよっ...。それにもう、味、ほとんど残ってないし...」
最初に口に入れた時、先から出てた液体がしょっぱかったけど、もうほとんど黄瀬君の味が残ってない。
...それがなんか、少し寂しい。
「なんか生々しいっていうか、自分のアソコの味ってヤダ......キスさせて?」
黄瀬君は、私の返事も聞かず、唇を重ねて、舌で私の口内を犯す。
しばらく舌を絡め合ったあと、歯列をなぞり、上顎を舐めた。
擽ったい...。
味、完全に残ってないとは言ってないのに...やだって言ってたのに...。
彼の唾液が流れ込んできて、飲み切れず、口の端から溢れた。
...それすら勿体ないと思っちゃってる。