第5章 マネージャー
「ねぇ、柚子っち...このまま続けちゃっていいんスか?」
黄瀬君が優しく頬を撫でるから、擽ったくて、肩を竦めて目を細める。
「んっ...黄瀬君がシたいなら...」
彼が求めているなら、応えたい。
求めてくれているなら......。
「ダメ。柚子っちの本当の気持ちは?」
「え...?私の、気持ち...?」
「うん。聞かせて?...オレだけがシたいなんてヤダから...」
とても真っ直ぐな目。
私は、そのキレイな琥珀色の瞳に、射止められた野兎みたい。
好きがどんどん溢れてくる。
まるで...洪水みたいに...。
顔に熱が集まってるのがわかる。
ほっぺたが熱い...。
私はいつも、黄瀬君に見つめられただけで、こんなになってしまう。
「私もシたい......けど...」
「けど...なんスか?」
「......怖い...」
私かそう言ったら、黄瀬君が優しく微笑んで、髪を梳くように、頭頂部から耳までゆっくり、撫でる様に手を動かして、そっと優しく言った。
「大丈夫。ムリまでしてすることじゃない。...あんなこともあったし...何より、柚子っちのペースでいいんスよ?」
黄瀬君はどうして、こんなに優しいんだろう。
私もそのくらい、余裕があったら...。
そんな風に言う黄瀬君の目が熱を含んでるのがわかった。
それよりもわかり易いものがある。
彼の気持ちの昂りが、私の太腿へ強く主張している。
「で、でも...黄瀬君...黄瀬君の、た...勃って...」
「スキなコ押し倒して、こんな状態なんだから、当たり前っスよ」
出来ないなら、せめて...黄瀬君のこと、気持ち良くしたい。
「柚子っち?」
私は肘を付きながら起き上がった。
黄瀬君もそれに合わせて、起きてくれる。
私は何も言わず...いや、緊張して何も言えないが正しいかな?
彼の股間にうずくまる様に、顔を埋めた。