第4章 インターハイ
「お疲れ様、黄瀬君」
「うん...柚子っち、ありがとう。大好き...」
「なっ...こんなとこで...ふっ、もう」
少し屈んで彼女の肩口に頭を預けると、少し焦りながら、オレの頭を優しく撫でてくれた。
「黄瀬、見せつけてくれんな。...やっぱモデルさんの彼女はレベル高いな」
「えっ!?」
「オレには勿体無い位の女っス。でももう誰かに渡すことなんて出来ない。オレのっスから」
森山センパイにそう返した。
可愛い女の子に目がないセンパイだけど、きっとセンパイは柚子っちに何もしない。
そういう人だから。
「なっ...黄瀬君!?」
はは...やっぱその反応スキっス。可愛過ぎる。
そっと彼女の首筋を舐めた。
しょっぱい...。
オレの汗と涙の味。
涙はまぁ、いいとして、汗付けるとか...柚子っち...イヤじゃないかな。
「じゃあ、オレ達先に帰るぞ。明日、忘れんなよ、部活」
そう言ってセンパイ達は去っていった。
「柚子っち、オレん家来ねぇスか?」
「え?黄瀬君の...?」
「うん」
少し戸惑ってる彼女。
オレが柚子っちを家に誘ったのは、初めてだ。
...いや、女の子自体家に呼んだことがない。
...柚子っちはオレの、特別だから。
「うん、じゃあ行こっかな」
案外軽いノリの柚子っち。
オレが家に連れ込んで、何かしようとしてるのは、キレーな彼女は、知るハズもないんだろうなぁ。
...いやだからといって、嫌がる彼女にムリヤリなんてことはしたくないけど。
「よし。じゃあ行こ?柚子っち」
柚子っちの肩に預けてた頭を上げ、涙を拭って、彼女の手を取り歩き出す。