• テキストサイズ

【黒子のバスケ:黄瀬涼太】愛の言ノ葉

第4章 インターハイ


「青峰っちとオレ...勝つとしたら、どっちだと思うっスか?」


興味本位で聞いてみた。

黒子っちはオレ達のことをよく知ってると思う。


「...わかりません」


「えー...」


「ただ勝負は諦めなければ、何が起きるかわからないし、2人とも諦めることはないと思います。...だから、どちらが勝ってもおかしくないと思います」


確かに、そうかもしんないっスね。


「...ふーん。じゃあ、せいぜい頑張るっスわ」


「......」


黒子っち、なんか言いたそうっスね...。


「なんスか?」


「いえ、てっきり...「絶対勝つっス」とか言うと思ってました」


「なんスか、それ!?」


「...そりゃもちろん、そのつもりなんスけど...正直自分でもわかんないス。中学の時は勝つ試合が当たり前だったけど...」


なんとなくわかることはある。

それが大事なんだってこと...今ならわかる。


「勝てるかどうかわからない今の方が、気持ちイイんス」


全力でバスケに打ち込める。

バスケが楽しくて、しょうがない。


黒子っちがいなくなって、陰にいるコに話しかけた。


「柚子っち、出てきていいっスよ?」


ずっと陰に隠れてた柚子っちが、そっと出てきた。


「気付いてたんだね...盗み聞きして、ごめんね...」


「ん?別にいいっスよ、柚子っちっスから」


「なんとなく外に出て歩いてたら、黒子君と話してる黄瀬君を見つけて...一言、言いたくて...。ちゃんと応援してるから、頑張ってね。黄瀬君のことも...皆のことも信じてる」


「うん、ありがと。柚子っち...愛してる」


そう言って、柚子っちの小さな身体を抱き締めて、頬にチュッと口付けた。

それだけで真っ赤になる彼女は、すげー可愛い。


「この試合勝ったら、ご褒美に、ココにさせて?」


親指でそっと彼女の下唇をなぞる。

柚子っちは、俯きがちに頷いた。












/ 64ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp