第4章 インターハイ
「ウチは去年のインターハイ、優勝すら望める、過去最高のメンバーだったが、結果は知ってるか?」
「確か...初戦敗退っスか?」
正直、興味はなかった。
でも...
その後、センパイの口から発せられた言葉に、口が塞がらなかった。
「ありゃ、オレの所為だ。一点差の土壇場でパスミスして、逆転を許した」
「先輩達の涙、OBからの非難。オレは辞めようとまで思った」
すげー辛かったんだろうなんて、容易に想像出来た。
「けど、監督はオレを主将に選んで言った。そん時にオレは決めた。償えるとは思ってねぇ。救われるつもりもねぇ」
「それでもインターハイで優勝する。それがオレのけじめで、主将としての存在意義だ」
そう力強く言ったセンパイの...
声が...
顔が...
目が...
カッケーと思った。
だから、そのセンパイの顔を、悔しさで歪んだものにしたくない。
「ふーん。まぁオレは青峰っちに、初勝利が目標ってぐらいっス」
「あっそ」
何が何でも勝って、このチームを...。
オレはエースなんだから...。
「まぁ...死んでも勝つっスけど」
負けたくない...!
この、チームの為に...。
「けど何が正論かなんて今は、どーでもいいんスよ。オレはアンタを倒したいんだよ」
青峰っちを挑発する様に、睨んだ。
「理屈で本能抑えてバスケやれる程、大人じゃねーよ!」
「...やってみな!」