第4章 インターハイ
黄瀬君に弟のことを話してから、2ヶ月近く経ち、明日は、インターハイ準々決勝。
相手は、青峰君がいる桐皇学園高校。
青峰君は黄瀬君の憧れの人。
黄瀬君は青峰君を見てバスケを始めた。
黄瀬君、青峰君と戦えることが、すごい嬉しいみたい。
「それでは、準々決勝第2試合、海常高校対桐皇学園高校の試合を始めます」
始まった...
黄瀬君にとって大切なとき、
もっとも憧れる人を超えるとき...。
黄瀬君がボールを持ってる。
いきなり、エース対エース。
開始早々、エース・黄瀬君が立て続けに2度、青峰君に抑えられたが、主将の笠松先輩がすかさず返してくれた。
流れを桐皇に持ってかれなくてよかった。
「『一人じゃダメでも皆でなら戦えるっス』ってか。テツみてーなこと考えるようになったな。負けて、心変わりでもしたか?」
オレはこの人に勝つんだ。
その為に、今日まで、必死で練習してきたんだ。
「眠たくなるぜ」
「ハァ?一言もそんなこと言ってないっスよ?」
絶対にスキは見せない。
抜かせない。
「まぁ...確かに黒子っちの考え方も認めるようになったっス。海常を勝たせたい気持ちなんてのも出てきた」
センパイ......。
「センパイ、あと5分っス」
「オウ」
センパイがどんな気持ちで臨んでるか、本当の理由なんて、知らなかった。
知ろうともしてなかった。