第3章 コワイ(過去編)
でもそんな時、アナタは、私を変えてくれた。
葵がいない毎日を、明るくしてくれた。
「最近、花村っちどうしたんスか?元気ないっスよ?...どんな落ち込むことがあったって、笑ってればなんとかなるもんス!どうしても辛くなったら、思いっきり泣くんスよ!それだけで気分が晴れるハズっス!...泣きたい時思いっきり泣いて、あとは、笑ってればいいんス!!」
そう言って、太陽みたいに笑ったアナタのことは、一生忘れない。
ただ、それだけのことが私には、とても大きなことに感じて...。
気付けば私は、アナタを好きになってた。
12月の寒空の下、私はアナタの言葉で、強く生きていくと決めた。
...葵の分も長く生きると決めた。
どことなく、笑顔が葵に似ているアナタを好きになって、4ヶ月。
気付けば、中学校生活、最後の年の幕開けだ。
私はもうアナタが好きで好きでしょうがなかった。
元々は、マネージャーとして、アナタは選手として、少し話すだけだった。
でも、今ではあの言葉で私はアナタに夢中。
でも...やっぱり無理だよね。
私とアナタの世界は違い過ぎる。
付き合うなんて、夢のまた夢。
......それでも想いだけは、伝えたかった。
だから、あの時私は、伝えたんだ。
あの時はまさか、こんな関係になれるなんて、思ってなかったよ。
「どうしたんスか?」
「私、あの...好きですっ!...付き合ってください!」
勢いよく頭を下げた。
「あ、あ〜いいっスよ。よろしく」
「え!?ホント!?ありがとう!!」
なんていうか...素っ気なかったけど...。
ホントにいいんだよね...?
私は舞い上がっていた。
でも、すぐにわかった。アナタが私の告白をOKした理由なんて。
カモフラージュ彼女、その言葉が心に重くのしかかる。
結局私はアナタと別れることも出来ず、海常に入学した。
高校生になってから、余計に、アナタは、沢山の女の子と重なるようになった。
それでも私はアナタが、好きで好きで堪らなくて、別れられずにいた。
すごく...
すごく...
辛かったんだ。