第2章 モドル
怒りでどうにかなってしまいそう。
もう、汚れちゃったってのは、どういう意味かわかってる。
それでも、愛しい人がどんな風に傷付けられて、どんな風にプライドを踏みにじられたのか...知りたいんだ。
汚れてなんかない、すげーキレーなんスよ?柚子っちは。
......だから、お願い、オレを頼って、柚子っち...。
「オレ、スキな人に、頼られたいんス。...だから、柚子っち。ね?」
ベンチに座っている柚子っちの前に、オレは屈んで、その小さな手を握り締めながら、柚子っちの言葉を待った。
ゆっくりと口を開き始める柚子っちの顔は、今にも泣き出してしまいそうだ。
「泣きながらでもいいんスよ?ゆっくり、話して」
弱々しくなった柚子っちを怖がらせないように、優しく声をかける。
すると、柚子っちはコクンと頷き、涙が零れ落ちた。
「...一週間前にね、帰りに公園に寄ったの。...それで...んっ、結構暗くなっちゃって、そしたら、急に男の人、2人が話しかけてきて...うっく...公衆トイレに連れて行かれて、1人の男に押さえ付け、られて、うっ...もう1人の男に無理矢理...指を、入れられて、痛かった...っくぁ」
「うん」
たまに相槌を打ちながら、嗚咽混じりで、なかなか言葉にできない柚子っちの声に耳を傾けながら、聞く。
「そのあと、男の人のを入れられて...身体に、精液、かけられて...うっ...またもう1人にも同じように、されて...血もたくさっくっうぅ...でたし、痛かったよぅ...うっく、うぁ...」
そいつら2人を殺してやりたいと思った。
でもそんなことしたって、柚子っちが味わった、辛さや痛みがなくなるわけじゃない。
だったら、とことんオレが柚子っちを労わってやんなきゃ。
柚子っちの心が少しでも軽くなるように...。
泣き崩れた柚子っちを支える様に、優しく抱き締める。
これからは、オレが絶対、守ってやるスから、安心して、柚子っち。