第1章 コワレル
「黄瀬君!...あっ緑間君?」
水飲み場に行くと、黄瀬君と緑間君がいた。
緑間君、試合見に来てたのかな?
「花村っち!」
「花村、お前まだ...っ」
緑間君は、私の顔を見て、言葉を詰まらせ、顔を背けた。
私がまだ黄瀬君と付き合ってることを言ってるんだろう。
苦笑いしてみせた。
「花村、お前は、いいとこで来るな」
「え?」
「オレ達が誠凛に負けるという運命はありえない。残念だが、リベンジは諦めた方がいい」
「.........」
え...?行っちゃった...。
てゆーかさっき、カエルのおもちゃ持ってた?今日のラッキーアイテムかな...?
それより、黄瀬君にかける言葉が見つからない。
黄瀬君は私のこと好きじゃない。
さっき黄瀬君は泣いてた。
初めて負けたんだ。そりゃあ、悔しいよね...。
「...黄瀬君」
「なんもいらねぇスよ。オレはアンタのこと好きじゃねぇんだから。もうわかってるんスよね、オレがなんでアンタと付き合ってるのか。
だったら、彼女ヅラしねぇで欲しーっスわ」
今にも溢れてしまいそうな涙を堪えて
「ごめんっ」
そう言って、立ち去る。