第7章 慟哭の夜に
雅紀も、
智くんのことを心配してた。
「翔ちゃん、
リーダーに着いててあげてよ。
やっぱり、リーダーは翔ちゃんのこと、
頼りにしてるから...」
わざと明るく言う彼に、
俺は、何て言ったらいいのか
分からないでいた。
「俺はさ、もう、大丈夫だから..。
翔ちゃんに、いっぱい自信と、勇気、
貰ったから。
もうひとりで、頑張れるから。」
精一杯笑う雅紀が、意地らしくて、
俺は彼を抱き締めた。
元気と勇気をもらったのは、
俺の方だよ。
雅紀といるだけで、
優しい気持ちになれた。
彼が持っている、
太陽のような明るさや、
少年のような純真さは、
いつだって、
眩しくて、輝いていて、
俺の、憧れだったんだ。
「やっぱりさ、
リーダーがいつも笑っててくれないと、
嵐じゃないでしょ?
翔ちゃん、責任重大だよ!
絶対に、リーダーのこと、
元気にしてよ!!」
そう笑ってくれた雅紀に、
俺が出来ること。
それは、
智くんが、心からの笑顔を取り戻すのを、
側でちゃんと見守ること。
雅紀のこと、
大好きだった自分への決別。
ひとつだけ、
後悔していることは、
雅紀に、
『大好きだよ』って、
そう言ってやらなかったこと。
甘えてたのは、
俺の方だった。