第7章 慟哭の夜に
大野さんが語った事実は、
もちろん大麻なんかやっていない。
女の子のたちと、写真を撮ったことは撮ったが、
その場には、他にも男女数名がいたこと。
だから、3Pなんてとんでもない。
ただ、みんな酒を飲んでいて、
結構騒いで、羽目を外していた。
だけど、
写真一枚で、事実とは全く違うことを、
面白おかしく書き立てられてしまうのが、
芸能界だ。
もっと前に。
女の子とのキス写真が出てしまって、
その時も、懲りたはずなのに...。
写真を無闇に撮らせないように、
特に、女の子との写真は、
細心の注意を払うようにと、
十分に事務所からも言われていたし、
俺も、彼にはよく言っていた。
でも。
ガードが甘い、というか、
彼本来の優しさが、
断り切れないのだろう...
結果、こうやって自分の首を締めることに。
『だから、言ったじゃないか//////』
そう言ってやりたくても、
智くんは、
憔悴しきっていて、
見ていられない程だった。
悔しくて、
誰に向けていいのか分からない怒りで、
俺は、身体の震えを止められなかった。
素直で、
疑うことを知らなくて、
子どもみたいに純真な彼が、
どうして、
こんな目に合わなきゃいけないんだ。