第32章 turning point~転機~
「……」
「…………」
智の腹に吐き出された二人分の熱を(まあまあの量だった…)ティッシュで拭き取り、乱れたシーツを綺麗に直した。
………からの、今……
抱き締める俺の腕の中、
智は黙って反対を向いている。
機嫌、損ねちゃった、みたい…(^^;
まあ、理由は、分かっちゃいるけどね…
「………」
「………さ〜とし…」
「……」
「…こっち向いて欲しいな〜♪」
「……もう寝てる…」
「寝てないじゃんか〜(^o^;)」
「………」
「智ってばぁ〜」
少し強引に肩を掴んでこっちを向けると、唇を窄めながら睨んできた。
まあ、そんな顔も抜群にキュートではあるけれどね〜(^_^;
「…ごめんって…」
「………何で?」
「あ、いや、何で、ってさ…」
「言い訳しなくていいから!」
「あ、はい……」
中に出さなかったから……
最後の最後で外に…
智の腹に吐き出した。
それが、姫にはお気に召さなかったようで。
久々エッチの大盛り上がり最後が打算的だって…智はそう拗ねて見せた。
中で出してしまえば、そりゃ『イイ♥️』けどね…
その後処理のことが頭を掠めたのは、
まあ、紛れもない事実だけど…
「俺は、中にシテ欲しかったのに…」
…(^_^;)でしょうね…
睨む智に、俺は無理やり作った笑顔を貼り付けた。