第32章 turning point~転機~
ちらっと見ると、相変わらず、
翔ちゃんは椅子から立って持論を展開していて、
松潤はそれを真剣に聞いている。
相葉くんは、いかにも分かっているかのような顔で頷いている。
そしてニノはいつものようにゲーム。
でもちゃんと話は聞いているんだろう…
俺は…
コンサ―トのことも気になるけど、
翔ちゃんの『離れた方がいい』発言で頭ん中、いっぱいだった。
俺は思い切って、隣のニノにLINEした。
『やっぱ、相談にのって欲しい』
するとニノは、ゲームをしている画面を見たまま、
『いいよ』
と返して来た。
俺ん家じゃ、翔ちゃんもいるし、どうしよっかな~?
と思っていると、
『これ終わったら、飲みに行こう
場所は、恵比寿のいつもの店で』
…ニノの素早い判断に感心しつつ、
『了解』
と返した。
3人とも、俺たちがそんなやり取りをしているなんて、夢にも思わないだろう。
こんな事、ニノに話したって知ったら、翔ちゃんは怒るかな?
いや。でも、誰にも話すなって言われたわけじゃないし…一人で抱えきれなくなって相談したって…
そう思ってくれるだろう。
だいたい、こんなに俺を悩ませた翔ちゃんが悪い!
一応夫婦なのに、一緒にいられないなんてさ…
そんなこと、誰が聞いたって変だって思うよ!
なんなら、ニノに味方してもらって、
翔ちゃんを説得してもらうっていう手もあるか。
そうだよ。
そうしよう!
ニノならきっと味方になってくれるだろう。
夕方6時前に打合せが終り、ニノに続いて、俺もすぐに席を立った。