第6章 運命の深い渦
相葉くんとの旅行は、
仕事が二人一緒にない日の、
ウイークディに決めた。
朝から、新幹線で一路、
一ノ関へ…。
駅からは、レンタカーを借りることになっていた。
新幹線は、グリーン車ということもあり、
比較的空いていた。
俺は雅紀と、並んで腰掛け、
新幹線の中は、仮眠をとることに決めていたので、
早速、帽子を目深にかぶり、
寝る体制に…。
脱いだジャンパーを前に掛けていると、
その中に、彼の手が…。
俺は、寝たふりをして、やり過ごそうとした。
でも、そんな俺の指に、
当然のように、雅紀は自分の指を絡め、握ってきた。
俺が、無視しようとしていると、
今度は、俺の手のひらを、
爪の先でくすぐってきた。
……
……寝てられねーっつーの!
仕方ないので、
恋人つなぎの指に、ぎゅっと力を入れて握り返すと、
雅紀は嬉しそうに、俺の肩に持たれてきた。
帽子の下からそっと覗くと、
上目遣いに俺を見上げ、
ニコッと笑う雅紀…
(ちょっと、可愛すぎでしょ…)
すると、雅紀は、
俺の耳元に口を寄せ、
「翔ちゃん…大好き❤」
と言った。
…まずい…
赤面するわ!