第6章 運命の深い渦
そんな中、相葉くんが、
旅行に行こうと誘ってきた。
「東北?」
「そっ!親父の知り合いが、
温泉旅館やってんだって。」
温泉か....♪
俺は『温泉』というWordにかなり引かれたが、
相葉くんはさらに、
「海に面した露天風呂とか、
海の幸が、食べ放題らしいよ...」
『海の幸??』
また、新たなWordが登場し、
俺はもう、温泉より『海の幸』に頭ん中で、
シフトチェンジがされ....
やばい…
ちょっと楽しみ♪
「じゃあ、決まりね!
スケジュール確認して、
いけそうな日、押さえるよ」
……
そっか…
2人で、旅行か…
別に、意識することないと、
そう思うながらも、
なんだか、どんどん恋人同士っぽくなってくことに、
どこかで少し、
戸惑う気持ちもないわけじゃなく…。
俺とこうなって、
彼がすぐく立ち直ったかというと、
そうじゃない部分もまだあり、
元気そうにしてるけど、
ふたりだけで飲んだりすると、
悩んでる気持ちを、
打ち明けたりして…
でも。
その反面、
俺は、そんな雅紀に、
癒されたり、優しい気持ちを貰ったり、
『恋人』という存在なんだって、
自覚し始めていた。