• テキストサイズ

Blue【気象系BL】

第31章 僕が僕らしくあるために




「え??何言って」

焦って動揺した彼の瞳は、不安げに揺れた。


「いいから。少し、黙って聞いて欲しい…」

「………」


俺は、言葉を選びながら、
慎重に、智に話し始めた…


彼に分かってもらう様に………



智と一緒になって、智は俺の側でいつも笑っていてくれる

家の中の事も、いろいろやってくれるようになった。

例えば洗濯だって、
掃除だって、もちろん料理だって…

そんな智が、いつの間にか当たり前になって、
当然のように、やってもらっていた…

それでいいって、感謝する気持ちも、
少しずつ薄らいでいった。

なぜなら、智が俺に尽くしてくれることが、
当然のことだと、勘違いしていたんだ。


「智…最近、絵描いてるの?」
「えっ?…どうして、そんなこと…」

「粘土は?作ってる?」

「……作ってるよ」
「何を?……じゃあ、絵は?何を描いてる?」

「何をって…ちゃんと、描いてるよ…」

「嘘だ…」

「…翔ちゃん…」

「智が俺のことを思って、俺の身の周りの事や、家のことをあれこれやってくれるのは有り難いよ?
だけどそれは、智が、智らしく生きていることが出来てなきゃダメなんだよ…」

「……」

智が泣きそうな顔をしている。

その気持ちが俺にも伝染する…


負けるな!!俺!!


/ 794ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp