第31章 僕が僕らしくあるために
智が準備した釣りの道具を持って、指定された桟橋を入っていくと、
俺たちが予約した船と、船長さんが待っていた。
「今日は…」
「キャプテン!お世話になります!」
俺を差し置いて、智が挨拶した?
マジか…(^^;
「何が釣れますか〜?」
「今日は、シーバス狙いかな〜?
まあ、イナダやサワラ、上手く行けばアオリイカの群れに会えるかもしれないなぁ(^^)」
「シーバスも狙うつもりで、ルアーも選んできました!」
「そうなんだ!じゃ、大物狙いましょう!」
「はい!!」
「…………」
なんだこの、蚊帳の外(ノ`△´)ノ」
いつかのデジャブを思い出しながら、
でっかいクーラーボックスを担いで、智の後について船に乗った。
「翔ちゃん!俺、シーバス釣るからね!
でっかいの獲れたら魚拓取るんだ〜♪」
「…あ、うん。頑張れ〜」
「頑張れじゃないよ!翔ちゃんも、一緒に釣るんだよ!」
「おう」
こうして、ポイントまで船を走らせ、竿を出してきた智。
「はい、これは翔ちゃんのね」
「うん…智のと違うの?」
「あ〜、これ?翔ちゃんのバイブレーションは初心者向きのルアーなんだ」
「へえ〜…、なんかエッチな名前だね」
そう耳元で囁くと、智は真っ赤になった。
んふふふ(〃^ー^〃)か〜わい♥️
今回は船長さん、あんまりグイグイ来ないし、智は俺の側を離れないし。
これで釣れたら、バッチリなんだけどな〜♪
でも、楽しくなりそう♪
俺たちは、並んでルアーを投げた。