第31章 僕が僕らしくあるために
「翔ちゃん!!」
俺が掛けた目覚ましを止めたらしい智が、
血相を変えてパウダールームに飛び込んできた。
「あ、起きたね、おはよ〜♪」
「何で起こしてくれなかったの?」
「あ〜、だってさ…」
「だってじゃないよ!温泉でエッチするの、楽しみにしてたのに!ひどいじゃん(;-;)」
ひどいじゃん、って(^_^;)
新潟の酒はやっぱ旨いとか言って、
そのくらいにしとけっていうアドバイスも無視して、しこたま呑んで、さっさと寝たのは自分だろ〜?
俺を怒るのはお門違いもいいとこ…
「俺がこの旅行をどんなに楽しみにしてたのか、翔ちゃんは全然分かってない!」
「だからぁ…それはごめんって。
そんなにエッチしたいんなら、今晩帰ったらヤッてや…」
「家でスルのと違うの!それに今、
『ヤッてやる』って言ったよね?何それ?
俺、翔ちゃんに仕方なくヤッてもらってるんだ、いつも!」
「いや、そうとは言ってない…」
「あ〜あ、なんか俺ひとりバカみたい…」
「智……」
「翔ちゃんはいつもいつも、忙しいから、俺は家で留守番してることが多くて…」
↑お仕事してくださいね〜
「淋しいけど、翔ちゃん頑張ってるんだから、それは言っちゃダメだって…」
「いや、言ってもいいよ〜」
ギロリッ(`へ´*)ノ
睨まれたし…
「だから、一緒にお休み取ってくれたのも嬉しかったし、その上、温泉旅行に誘ってくれて…
俺、超嬉しかったんだ。
だから、思い出になること、いっぱしたかったのに…
エッチだってさ…」