第31章 僕が僕らしくあるために
「お部屋にも2つの露天風呂がありますので、お楽しみいただけると思います。
もちろん、大浴場の方も、よろしかったらどうぞ」
「「ありがとうございます」」
綺麗にハモった俺たちに、中居さんは部屋の説明をしてから、帰っていった。
「翔ちゃん、凄いね~、超広い!」
「うん…お風呂も十分な広さだしね~」
「…一緒に、入る?」
「え、今?」
「うん…」
……(・_・)←しばし考える
「そうだな、夕飯までまだだいぶあるしね…」
「わああーい!!どっちのお風呂に入る?
岩風呂?檜?」
「じゃあ、俺は岩風呂はいるから、智は檜。」
「はあ~?何でわざわざ別々に入るの!?
翔ちゃん、アホじゃな~い?」
怒りながら、智は、着ているものをパッパと脱ぎ捨てて、真っ裸になると、
「ほら、いくよ!!」
と、檜風呂の方に向かって行った。
……前、隠せよ…(^^;
そう言いたい気持ちを抑えて、俺も部屋で服を脱いだ。
そんな事言っても、恐らく智は、
『なんで隠す必要があるの?翔ちゃんと俺しかいないのに、今更じゃんか』
とか言うだろう…
いやいやそこはさ、
親しき仲にも何とか…とか~
チラリズムの美学…とか…
ちょっと勿体ぶる…とかさ…
頭の中で勝手にそんな会話を想像し、ひとりほくそ笑みながら、檜の露天風呂へと入っていった。
すると智は、
「翔ちゃん、何ニヤニヤしてんの?
や〜らし( *´艸`)」
そう笑いながら風呂に入った。
やらしいって…お前…(-_-;)
仕方ないから、俺も身体を洗ってから智の横に並んで浸かった。