第31章 僕が僕らしくあるために
道の駅で、トイレを済ませた智は、
『ソフトクリームが食べたい』と、
心配する俺を置いて、さっさと列に並んだ。
ふたりでいると目立つかと思い、
離れたところから見ていると、
智は当たり前の顔して、ソフトクリームを片手に帰って来た。
「いこ♥️」
「なんだよ〜、俺のは?」
「半分こしよ♪(^^)」
そうふにゃにゃんと笑った。
…(///ω///)♪
なんだよ、そんな顔して。
「よくバレなかったね」
「いつもバレないし♪翔ちゃんだって、だいたいはバレないじゃんか!」
まあ…そうだけど( ・ε・)
少し離れたところに停めてあった車に乗り込むと、智はなめていたそれを、俺の方に差し出してきた。
「やった♪」
ちょっと怒らしてやろうと思って、
わざと大きな口でパクリと頬張った。
そのまま、ちらっと智の顔を見ると、
「美味し?」
と笑った。
…………(--;)
だーかーらー……
その顔、止めてくれって言ってんだろ〜?
↑言ってはいない…
何て言うか…
可愛すぎて……
いつもそうだけどさ。
そういう、年に似合わない、
妙に可愛らしい仕草とか、表情とか。
むやみやたらと振り撒くなよ…
「もう一口、どうぞ♪」
「あ…うん…」
どぎまぎしてしまった俺は、
少し溶け始めたところを、ペロリとなめ、智が、今度はどんな顔してるのかと、そっと彼の方に視線だけ送った。