• テキストサイズ

Blue【気象系BL】

第31章 僕が僕らしくあるために




結局。
智は自分のおにぎりは一個ぺろっと平らげた後、
俺の紅鮭いくらもしっかり半分ゲットした。

「やっぱりね~、こっちも美味しかったね♪
俺と翔ちゃんってさ~、昔っから、味の好みぴったりだったもんね~♡」


まあ、いいけどね…
智が嬉しそうなのが一番だから。

それにしてもハート♡飛ばし過ぎじゃね?


しかし…
俺、出だしっからこんなんで、大丈夫かな~?


今回…
忙しいスケジュールをなんとかやりくりして、彼を旅行に誘ったのは他でもなく…

俺の考えを智に話すため。

俺がずっとずっと考えてたどり着いた答えを、
智に分かってもらうため…

でも、出だしから、彼の毒気にやられてる俺、
ちゃんと話せるのかな…


不安が募る俺の気持ちはそのままに、
新幹線はすべる様に周りの景色を置き去りにして走り。
お腹いっぱいになった智は、すっかり夢の中…

夕べ遅くまで釣りの道具をひっくり返していたから、寝不足なんだろうけどね…


俺の肩に凭れて、あどけない顔をして眠る智…

その肩の重みを目を閉じて感じてみる。


俺が智の人生を背負っていくんだなんて、
そんな風に思ったこともあったけど…

違ったんだよね…


智は智

『大野智』という唯一無二の存在で、
俺はその大切な存在と、共に人生を歩いていくと決め、今まで歩いてきたし、


これからもその思いに変わりはない…

変わりない…けど…


「んん~…おいち♡」

…夢の中でも食ってんのかよ(-"-)


窓の外の景色は、
いつの間にか山間を抜け、広々と開けた大地に移っていた。


/ 794ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp