第31章 僕が僕らしくあるために
「ねえ~、もしかしてだけど、翔ちゃんもお休みなの~?」
「うん…」
「ホントに?偶然♪一緒に2日続けてお休みなんてさ、いつ以来~?」
「…2ヶ月前、かな?」
「そんなに前か!マジで~?(〃^ー^〃)」
振り向いて智の顔を見た。
ご褒美待ってる犬みたいな顔して。
微かに、ブンブン振り切った尻尾も見えた。
「…温泉でも、行こっか?」
さらりと言ってみる。
「温泉!?温泉って、あの温泉のこと~?」
他にどんな温泉があるんだよ(^-^;
「そうだよ〜。
身体にいいお湯がこれでもかってくらいに湧き出してて、浴衣なんか着て畳の部屋でのんびりと…」
「しょーちゃん!!!!」
「どぉわぁあっっっ――と」
飛び付いてきた身体を支えきれなくて、
ソファにひっくり返った。
「ちょっっ///」
「翔ちゃん!俺嬉しい!ふたりで温泉行けるなんて、夢にも思ってなかったよ!
これが夢なら、覚めないでって感じ」
「大袈裟だって…」
「だってさ!もう、嬉しくって、俺…」
そっか……(^^;
そんなに行きたかったんだ、温泉。
まあ、温泉じゃなくても、
ふたりで旅行に行けるのが嬉しいんだろうな~
最近、ホントに。
そういう意味では、どっこにも連れてってないからなぁ…
智がこんなに喜ぶことに、
なんか罪悪感さえ覚えちゃうよ…
一緒にいることが、
当たり前になり過ぎてたんだな…俺…