第6章 運命の深い渦
「ははははっ…」
大野さん…
うまく笑えてませんけど…
ニノは、苦笑いしながらの、
『やれやれ』という顔。
でも、
この間、
松潤は、一言も発することはなく、
ただ、俺のことをじっと見ていた。
その視線に耐えられずに、
俺は黙って、シャツのボタンを留めた。
節操のないヤツと思ったかな...
男なら、誰でもいいんかい///
って呆れたかな...
でも、
たとえそうでも、仕方ない...
過程はどうあれ、
ヤったことは事実なんだから...
俺は、半ば開き直った気持ちで、
いざ、
記者発表の会見場に向かった。
その途中の廊下で、
俺のとなりに並び、声を描けてきたのは相葉くん。
「翔ちゃん...ごめんね~..
俺、なんかさ...」
口ごもる彼に、俺はポンと背中を叩いて、
笑顔を送った。
つけられないようにも出来たはず。
でも、それをしないで、
欲望に負けてしまったのは、
俺も同罪。
彼だけを責める気なんてない。
ただ、
俺の周りで強く渦巻く流れに、
飲み込まれてしまいそうだと、
そう感じていた。
いや、
もう既に、巻き込まれて、
逃げられなくなっているのかもしれない。