• テキストサイズ

Blue【気象系BL】

第30章 蜩〜ひぐらし〜




結局眠ったのは明け方近くだったらしく、
俺はマネの何度目かの着信で目を覚ました。

局に着き、楽屋について荷物を下ろしていると、マネが声を掛けてくる…


「珍しいですね!櫻井さんがこんなに寝坊するのは…」

「…ごめん…夕べ眠れなくって」

欠伸をかみころしながらそう答えると、

「大野さんいないと、眠れないんですか〜?」
って…

はぁ~??
俺が睨んでるのに気付かないのか、
気付いても強く出てんのか、
…おそら後者の方だろう…

「櫻井さんがそんなんだって知ったら、また大野さん家空けらんないじゃないですか~」

「…そんなんじゃないよ!」

「昨日ロケ現場でちょっとトラブったっていうの聞いて、心配で眠れなかったのは分かりますけど…」

「えっ?トラブった?智が??」

「えっ??」

マネはしまった…という顔をして固まった。

「何?何か撮影でトラブルがあったの?」
「あ~、いやぁ…えっと、他の現場だったのかも?…ああ、きっとそうだ!間違えちゃったんですよ!すみません、ほんと…」

「おい!何だよ?何か知ってるんなら教えろよ!」


マネが、俺に問い詰められて渋々吐いたのは、智の映画の現場でのこと。

忍者が草原を大勢で走るシーンで火薬が使われ、それが予定していた場所より智の近くで爆発したらしく…

「それで?智は??怪我したんかよ!?」

「く、苦しいですって…手、離して、くださいっ…」

「あ…ごめん…」


つい興奮して、マネの胸倉に掴みかかっていた。


/ 794ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp