第30章 蜩〜ひぐらし〜
「…映画…楽しみだな~
他のキャストって、決まってるの?」
深夜…
ベッドの上、
腕枕してもらって、
翔ちゃんの胸に凭れてる…
俺の生きてる中で、最高に幸せな時間…
「うん…侑李、出るよ」
「へえ~、バーターは知念?
相手役とかいるの?」
「んふふふ…気になる?翔ちゃん」
「え~?別に~」
「何で別に??気になるでしょ?
気になるから、教えろ!って言ってよ!」
思わず半分起き上がって翔ちゃんに詰め寄ってみる。
すると彼は涼しい顔で、
「言いたくないなら言わなくていいよ~…そのうち分かるし♪」
って……
何だよ!それっ…
何でそんな意地悪すんだよ!?
「な~んてな(^^)ウソだよ…
誰だよ~?教えろよ~
大野智の相手役が出来る幸運な女優さんは~?」
膨れた俺に、翔ちゃんは
相変わらず余裕の顔して、
下手くそな芝居じみた言い方で聞いてきた。
……(。-`ω-)なんか妙に気に入らない…
面白くないけど…まあ、ここで言い合いすることも無いからね…
「石原さとみちゃん…」
「へえ~…いいじゃん!
忍者の奥さん?恋人?
どっちかっていうと、
お姫様みたいだけどね~」
「お姫様だったのを、俺が一目ぼれして連れてきちゃう…的な設定だよ…」
「あ~、やっぱり!そんな感じだと思った~♪」
翔ちゃんは、自分の読みが当たったことに
気を良くしてご機嫌だけど…
そこじゃないでしょ~?
もっと突っ込めよ!
俺がさらって来たお姫様と
どうなるの?…とかさ~(*´з`)