第29章 君と紡ぐ時間
すると、肘枕して智の方を向いていた俺の腕を引っ張って、今度は自分がその中に入り込んで腕枕してきた。
「んふふふ…気持ちイイ♡」
すり寄る彼が可愛くて、鼻の下が…
↑ハイハイッ…(-_-;)
「あのさ…」
……??
何か話し始めといて、天井を見上げたまま黙り込む智…
でも、俺分かってるよ?
お前が何を言おうとしてるのか…
「あのね」
「うん…」
でも待ってやる…
気持ちを言葉にするのに、頭の中で整理してるのかな?
黙って智の言葉を待った。
「……ありがとね…翔ちゃん…」
「ん~?…何が~?」
「上田たちに、ちゃんと話してくれたこと」
そうだと思った♪
「あ~、その事ね」
「うん、そう。誤魔化すことも、いくらだって出来たのに…翔ちゃん…当たり前みたいに、話してくれたじゃん!」
「まあ、当たり前だからね(^-^)」
どんどん盛り上がろうとする智に、
わざと素っ気なくしてみる。
だけど、智は、全然ひるむことなく盛り上がり続ける。
「俺ね、翔ちゃんの周りの人に認めてもらいたいとか、
祝福してもらいたいとか、
そんなの全然思ってないんだ…
けどね…
やっぱりいつまでたっても『日陰の女』みたいなとこあるじゃん?」
日陰の女って…(^^;
そもそも女じゃね~し///
俺は黙って智の髪をなでながら話を聞いている。
智は、珍しく饒舌だ。