第29章 君と紡ぐ時間
ふたりで仲良くシャワーを済ませ、
スッキリした俺たちはいろんなものでぐちゃぐちゃのシーツを取り換えていた。
「ほら、そっち持てよ…」
「は~い♪……んふふふ…」
ベッドのマットにシーツを挟みながら、智が思い出し笑いをしている。
「なんだよ~?」
「ん~?翔ちゃんの爆弾発言を聞いたときのさ、上田の顔…超面白かったな~と思って…」
智は、3人に、俺たちが結婚していることを打ち明けた時のことを言っているらしい。
「そんな面白い顔だったっけ~?」
「うん♪口を開けてさ~、瞬きもしないで…
きっと息もしてなかったよ、あん時」
そう可笑しそうに笑う…
まあね…
あいつ等…特に上田は、俺に『そういう人がいる』っていうのも知らないし…
まあ聞かれたことなかったから、言う機会も無かったんだけど。
俺が結婚してて、
そんでその相手が男で、
同じグループのメンバーだった。
衝撃の事実が重なりすぎて、息もできなかったんだろうな~
でも帰り際に『マジで、感動してます』なんて言ってたし…
綺麗に敷かれたシーツに智はダイブした。
「おい~、またぐちゃぐちゃになっちゃうだろ~?」
「はい…いいから、ここきて♡」
ベッドに仰向けに寝転がり、
その横をポンポンと叩いて、そこに寝ろと誘う智…
その表情があんまり可愛くって、
つい鼻の下が伸びてしまうのを、片手で押さえて誤魔化しながら、その横に寝ころんだ。