第29章 君と紡ぐ時間
それからはもう、俺たちの話を根掘り葉掘り…
いつからそうなのか。
事務所は公認なのか。
他のメンバーは何て言っているのか。
メンバー以外で、誰が知っているのか。
プロポーズの言葉は。
…最後の、いらなくね?(*´ω`)
まあ、そりゃあ驚くよな…
もしかしたら彼女が出迎えてくれるんじゃないか?
くらいには予想してたのかもしれないけど…
いや、実際出迎えてはくれた、けど…
それが男で、
しかも同じグループのメンバー…
挙句『結婚してる』…だもんな~
「アニキ…マジで俺、感動してます!!」
「感動、って…」
風磨は、鼻息も荒く、興奮気味に耳を赤くしている。
「俺も、びっくりしたけど、アニキが一生を共にする人が大野さんなんて、もう…最高です!」
「それはどうも…」
上田もいつも以上に声を張っている。
「俺、ますます翔くんが好きになりました!
あ、そういう意味じゃないですよ~」
増田は智に笑顔を向けた。
「分かってるって…」
智もそれに応えてふにゃっと笑う。
和やかな…温かい時間が流れた。
……話してよかった、こいつらに…
話せてよかった…
事務所には彼らに伝えたことは事後報告になって、もしかしたら、小言のひとつも言われそうだけど。
この3人なら、他に話したりしないだろう。
何よりも、智に対して誠実で在りたかったんだ。
誰か家に連れていくから出掛けろとか、
隠れて欲しいとか…
そんなのは嫌だったから…