• テキストサイズ

Blue【気象系BL】

第29章 君と紡ぐ時間




現に俺たち嵐もそうだった。

デビューしても、相葉くんには暫くの間、変な遠慮があって…上手く馴染めないでいた。

そんなとき、彼が『翔ちゃん』って…
俺のことを『ちゃん』付けで呼んだ。

ジャニーズ事務所では、先輩後輩関係なく、『くん』付けが慣わしで…

でもその『ちゃん』付けが、俺と相葉くんの溝を埋めるきっかけになった…

「…でね、翔くん…」
「あ、うんうん…それで?」

増田は、自分に責任があるんじゃないかと…
手越と一番近いところにいたはずの自分が、もっと早く彼の中に踏み込んでいければ…
結果は違っていたんじゃないか?って。

「手越は、ああいう奴だからな~…なかなか難しかったんじゃないかな~?」

「ああいう奴だけど…どうしようもない奴だけど…
あいつ…めちゃくちゃ、いい奴なんすよ…」


増田……


そうだよな…俺が、彼を見くびるようなこと…言っていい立場じゃない。

長い間、苦しい時も辛い時も、歯を食いしばって同じ方向を見てやって来た…そんな仲間なんだ…増田は…

「ごめん…」

「なんで謝るんすか?ホントに…いい奴のくせに…我儘で、自己中で…」

……いつの間にか、上田と菊池も、増田の話を聞いている。


増田は、その後も、手越のダメなところと、いいところを話し続けた。

それを聞いているだけで、彼がどんなに手越のことを好きなのか、痛いほどに伝わってくる。

増田の辛い胸の内も…


だから、俺も何だか苦しくなった…


/ 794ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp