第29章 君と紡ぐ時間
時間にしたらほんの3秒位なんだろうけどね
ゆっくり振り向くと、智はニマニマ笑ってる…
そんな顔してるだろうってさ。
分かりきってて少し悔しい…
だけど、それをしないで家を出てしまったら、智が悲しむかな?とか、不安になるかな?
それとも、『忘れるなんてあり得ない』って怒るかな?
いろいろ考えてみるけど、
ほら、シたいのは俺ほ方だから…
それが分かってるから…
分かりきってるから…
智は、あんな余裕ぶっこいた顔して待ってるんだ。
「…いってくる…」
「…うん…」
目を閉じて、
少し突き出された唇に自分のを重ねた。
チュッっと可愛い音だけ立てて離れると見せかけて、俺は空いた左手を彼の頭の後ろに回して引き寄せた
不意に深くなった口づけに、
智は驚いたように目を開けた。
至近距離でバチッと目が合った俺は、にんまり笑って、そのまま強引に舌先を突っ込んだ。
「…ゃ…んんっ…」
予想を超える甘い攻撃に、
智はくぐもった声を漏らした。
ちくしょ―――!(≧∇≦)
いい声だぜ!
下半身に響くじゃんか!
だけど……
智の熱い舌が俺んのに絡み付いたその時。
俺のポケットでスマホが震えた。
残念ながら、マネからの2回目の呼び出しだ。
「…いってくるね♥️」
「……いってらっしゃい(・ε・` )」
そんな顔…するなって(^_^ゞ