第29章 君と紡ぐ時間
唇に自分のを重ねた。
ちゅっ♡
という可愛い音を立てて触れたそこは、
爽やかなミントの香りがした。
そっと触れただけで離れ、目を開けると、
睫毛を伏せ、その先を期待するような智の顔があった。
そんな潤んだ目してもダメだよ〜
俺、仕事行かなきゃだし…
ホントは、ミントの香りを存分に堪能したいところだけど…
智の手首を掴んでそっと抱き寄せ、
可愛いおでこに唇を押し付けた。
「あんっ…」
「そんな期待顔してるとこ悪いけど、続きは今夜な♪」
俺は、智から離れてベッドを降りた。
「きっ、期待なんか、ぜ、全然してないし!」
智はそう言って俺を追いかけるように付いてきた。
否定してるけどさ、
耳、真っ赤だよ兄さん(^^)
全く、いくつになっても変わらないよな…
そーゆーとこ♥️
そんなところが堪らないんだよね《*≧∀≦》
あ、違うな…
『そんなところも…』だ。
「今日は何〜?」
「うなぎだよ、静岡の友達に貰ったやつ、解凍しといたから〜」
「…ふ〜ん(^-^)♪」
俺は立ち止まって智を振り返った。
朝っぱらからしれっとうなぎを出すあたり、魂胆見え見えなんだよな〜(^w^)