第28章 Blue in Blue....
【智side】
翔ちゃんが、俺の顔を覗き込んだ。
そんな、優しい目をしないでよ...
俺はもう、泣きそうで...
「どうしたの?」
心配そうな翔ちゃん...
「ぎゅって...して..」
それだけ言ったら、涙が零れ落ちた。
そんな俺を翔ちゃんは何にも言わずに強く抱き締めてくれた。
ほんとはさ、
家に帰ったら、すぐに抱いて欲しかった。
もう、1秒でも早く折れるくらいにきつく抱き合いたかった。
でもさ、なんか段々、
色んな気持ちが、ぐるぐるしてきて。
翔ちゃんの家族のこと...
俺を見るお母さんの優しい目...
お父さんの大きな手...
舞ちゃんのさり気無い気遣い...
修くんと彼女のほんわかした雰囲気...
その中で、俺を気遣い、
俺のこといつも気に掛けてくれる翔ちゃん...
嬉しくて、
嬉しくって堪んないのに、
俺なんかで申し訳ないという思い...
翔ちゃんの子どもを二人に
見せてあげられない、申し訳なさ...
いまさら何言ってんだ///
って思う心の裏で、
『お前じゃ、ダメだ』って、
そう言ってくるもう一人の自分...
上手く言えなくて、
言っても、翔ちゃんは怒るだけで、
解ってるから...
分かってるけど...もやもやして...
で、涙が出て来る...
黙っている俺を、
翔ちゃんもずっと黙って抱き締めてくれてた。
そして、あの痺れるような甘い低音で、
「智は、智なんだから...
そのままで、俺のこと、好きでいればいいんだよ...
何があっても、離れないって誓っただろ~?
...愛してるから..」
.........
「...しょうちゃ~ん//////」
俺は、彼の頬を乱暴に引き寄せ、
唇を強く押しあてた。