第28章 Blue in Blue....
【翔side】
二人分のコーヒーカップを持って
戻ってくると、
ベンチに智と親父が並んでいて、
智が両手で顔を覆って泣いていた。
「....何?どうしたの..?」
智はすげー泣いてるし、
状況が分からず、焦る俺に、
親父がすれ違いざまに俺の肩をたたいて、
「泣かして悪かったな...」
と笑って、そのままリビングに行ってしまった。
親父...
俺が智を一人にするタイミングを
待っていたのか??
何か言ったのか??
「智///どうした?
親父に何か言われたの?」
背中を丸めて嗚咽する恋人を、
俺は抱き締めて、
できるだけ優しく声を掛けた。
すると智は、
「違う...違う...」
と泣くだけで...
くっそ~!!!
こんな泣かして///
抗議してきてやる!!
特上寿司になんかに、騙されないぞ///
↑それ、重要かなぁ(^^;
「俺行ってくる!」
怒り爆発で
親父を追いかけようと思った俺の手首を、
智は慌てて掴んで首を何度も振った。
そして、第一声...
「..ティッシュ..ちょおらい..」
......あぁ..
俺が部屋から箱ティッシュを持ってきて、
数枚智に渡すと、
それで何度も鼻をかんでから、
「...お父さん...っが、翔の..こと...
頼むって...
..卑屈に..なるなって..」
「....それ..」
すると智は、真っ赤な目のまま、
俺に飛びついてくるから、
危うく倒れるとこだった。
///あっぶね///
「ちょ、智..」
「翔ちゃ~ん///俺、幸せだよ~///」
......涙でぐちゃぐちゃの顔で、
幸せだって言う彼を、
俺は、よく分からないけど、
きつくきつく抱き締めた。