第27章 愛しき日々よ
撮影は順調に進んで、
予定よりも30分巻いて終わった。
本当なら、早く帰れるって、
大喜びしてるところなんだけど...
「翔ちゃん...健くんと、
カラオケ行くの~?」
「しょうがないだろ~...
まあ、取って喰われやしないんだから、
何とかなるよ♪」
翔ちゃんは、片目だけ、
綺麗に瞑ったウインクを、
俺にくれた。
それから俺たち3人は、
健くんが行きつけのカラオケ店に行った。
ジャニーズ御用達のところで、
店員も手慣れたもの。
直ぐに個室に案内してくれた。
始めは身構えていた俺たちも、
いつも通りで、
元気な健くんのペースに巻き込まれ、
普通にカラオケを楽しんだ。
嵐やV6の曲を歌ったり、踊ったりして、
楽しい時間だった。
俺と智が歌っているとき、
健くんはしきりにスマホを気にしていた。
2時間近くたったとき。
入れていた曲が、
丁度途切れたのを確認し、健くんが、
急に俺たちの方に背中を丸めて顔を近づけた。
「なあ、俺さ..お前らに、
相談があるんだ...」
『相談??』
ハイ!シンクロした~(^^♪
「相談って...
俺たちがいい答えできることですか~?」
不安そうな翔ちゃんに、
「そっ!!お前たちにしか、
相談できないことなんだ...」
『......??』
俺たち二人は、首を捻った。
「実はさ、俺..好きなヤツがいて、
それ、男なんだよ//」
「ぶーっ///」
俺は思わず、飲んでいたビールを噴き出した。
「男って...あの、男なの~?」
思わず、変な質問しちゃったじゃん///
健くんが...!?
俺も翔ちゃんも、一瞬、
言葉が出なかった。