第27章 愛しき日々よ
「..ねぇ..翔ちゃん..あのさ」
戸惑ったまま、
俺は今日のことを彼に聞きたくて...
2人っきりのムード満点ディナーと、
贅沢過ぎるけど、貸し切りの美術館も、
まあ、良しとしよう。
そんなハイソなデートは、
俺らしくはないけど...
翔ちゃんだしね...(^^;
あり、でしょう。
でもさ...
すると翔ちゃんは、
俺を後ろから抱き締めたまま、
「一緒に暮らすようになってもさ、
やっぱ、ドキドキとか、
ワクワクとか、刺激的なのも必要じゃない?
マンネリしてるとも、思わないけど...
思い出は、多いほどいいしさ...」
俺の肩越しに、語る彼...
「一緒に画を観たい...がスタートで...
最後に、その感動のまま、
気分を変えて、ホテル~♪もさ、
ちょっといいかも...
って。
...なんか、言い訳っぽいな..これ...」
照れて笑う君に、
泣きそうになる俺...
こんな素敵なデートを、
念入りに計画してくれたんだって思ったら...
嬉しくって...嬉しくって...
思わず鼻を啜ると、
翔ちゃんは俺を自分の方に向け、
顔を覗き込み...
「泣き虫...」
と言った。
彼の大きな瞳の中に、
情けない顔した俺が映っていた。
「ぎゅうって、して...」
そうしがみつくと、
「甘えんぼ//」
翔ちゃんは、そう笑って、
俺をしっかり抱き留めてくれた。