第27章 愛しき日々よ
翔ちゃんとここで暮らし始めて、
もう直ぐ1ヵ月になる。
なんだか落ち着かなかった広さにも、
もう慣れた。
自分の部屋には、絵の具やら、
樹脂やらが散乱し始めていて、
まあ、らしくなってきた。
翔ちゃんよりは、俺の方が綺麗にしてる、
とは思うけど。
...この部屋は、そうでもないかな?
真ん中にある、カウチに沈んで、
俺は目を閉じた。
この頃、喧嘩もしなくなった俺たちは、
見ようによっては、
長年連れ添った夫婦みたいだ。
言い合いしても、彼には勝てないし...
大体は、俺の方が、つまんないことで
突っかかってくパターンで。
前はすぐに熱くなってた翔ちゃんも、
この頃は、いったん俺の小言を飲み込んで、
それから、吐きだす技を習得した。
「智...分かったから、まあ、座れよ...」
こうなると、俺に勝ち目はなく、
↑もともと、そんなのありませんけど...
説得されたり、
言い含められたり、
で、喧嘩も終わってしまい...
夜はベッドで仲直り❤
いつものパターンだ。
↑それに、何か、ご不満でも?
結局さ、
俺は翔ちゃんには、敵いっこない...
でも実は、
それが、心地いい...っていうか、
彼に敵わないんだ...
って思うことが、なんだか嬉しくって、
幸せなんだ...
↑結局、ノロケただけでしょ//
そんなことを、取り留めもなく、
考えているうちに、
俺の目蓋は、もう上がらない。
夕べ、恋人を激しく攻めた身体は、
幸せな疲労感で、
大きな窓から差し込む日差しが
温かすぎるせいか。
働く旦那様を送り出して、
ダラダラする、奥さんみたいだな...
そう思いながら、俺は眠りについた。