第27章 愛しき日々よ
朝ご飯を食べ終わって、
キッチンで洗い物をしていると、
出掛ける準備をしていた翔ちゃんが、
「智~、今日の夜、空いてるよね?」
と聞いてきた。
空いてるも何も、俺今日オフだしさ、
絶対、マネージャーより、
俺のスケジュールと行動、把握してるよね~?
「うん...何にもないけど...」
「じゃあさ、外で飯食おうぜ~♪」
いいのかな~?
また、写真誌に撮られたら...
ちょっと、トラウマにもなってるけど、
よく考えたら、メンバーと外でご飯食べて、
何が悪いんだよ!!
↑誰に、言ってんの?
翔ちゃんは、今日、
今度やる特番の打ち合わせと、
取材が入っているらしいけど、
一応8時に、待ち合わせした。
「智は~?今日何すんの?」
ハミガキしながら、
俺の側まで来て、翔ちゃんが聴いた。
「うん...俺は、画材店を
数軒回ってみようかな~...」
「そっか...ファンに見つかんなよ//」
大丈夫だから...(^^;
あなたは、この頃、
あちこちで見つかりまくってるけど、
俺、全然そんなの、ないからね...
準備が終わって、
いつもの大きなバックを持って、
翔ちゃんがキッチンに戻ってきた。
俺も、丁度夕べのカレーの鍋を、
洗い終わったととこで。
「行ってくるよ♪」
後ろから抱き締められて、
ちょっとキュンとした...
夕べはさ、俺に組み敷かれて、
可愛い声で鳴いてたくせに、
今日はもうすっかり、よそ行きの
恐ろしく男前な顔しちゃってさ...
タオルで手を拭きながら、
振りむいた俺に、
分厚い唇が降ってきた。
ちゅう~っ❤
って、
わざとらしい音と、
無駄に爽やかなスマイルだけ残して、
彼は出掛けて行った。