第26章 ようこそ、我が家へ!
週末がやってきた。
智は、個展の打ち合わせで、
午前中から仕事、
夕方には帰ってくる。
俺は1日オフなので、
朝から準備しようと張り切っていた。
といっても、
ご馳走を作れるはずもなく、
パーティー用のケイタリングでも
頼もうかと思っていた。
すると、前日深夜に、
松潤からLINEが。
『明日の料理とか、どうするの?』
「ケイタリングかな?」
『俺が作ろうか~?』
「いいの?」
『いいよ!材料も適当に買ってくからね』
「OK!じゃあ、2時頃に来て」
『了解』
「...誰から~?」
風呂上がり、智が聞いてきた。
「松潤がさ、明日、
料理してくれるって!」
「ホントに?やったね!
松潤のパスタ、美味しいよね~」
笑顔の智が、湯気を纏って...
ちょっと色っぽい...
「ごめんね~...俺が、
仕事でいなくって..」
申し訳なさそうに眉を下げる智..
「何言ってんだよ!
個展、頑張れ//こっちはまあ、
余興だからさ!」
そう言いながら、
ソファーで、俺の胸に凭れる彼の
ふわふわの髪を、何度も撫でた。
すると智は、気持ち良さそうに、
鼻から少し息を抜く。
....甘える仔猫みたいだ(*^-^*)
無駄に広いこの部屋に、
彼らがやってくる..
こうやって寄り添うには、
広すぎて寂しいくらいの
この空間にも、なんとか慣れた。
それぞれの部屋で過ごすのも、
なんとなく珈琲入れてって、
そのまま居ついたりして...
優しい時間が、
ゆっくり流れる、俺たちの城...
そこに彼らを迎え、
へんてこパーティーをするらしい...
さぁて、
どんな夜になるんだろう...
その時、
彼の寝息が、
俺の耳に届いた。