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Blue【気象系BL】

第25章 新しい生活が始まる


玄関を入ると、
智が抱きついてきた。

普通なら、
なに盛ってんだよ!なんて、
揶揄かうところだけど、


今日は智を纏っている空気が、
なんだか切なくて、

それは俺にも伝染する。


「智...」

背中をそっと抱き寄せ、耳元で
名前を呼ぶと、

彼は、泣きそうな顔で俺を見上げ、少しだけ笑った。


新生活の初日が、
こんな気持ちでのスタートじゃ、
いけないよな...

俺は、
ワザと明るく、

「よし!風呂入るか?
今日は一緒に入っちゃう?」

すると智は、

「ホントに?...入ってもいいよ..」

切なモードはそのままだけど、
俺の誘いに乗ってきた。


「じゃあ、お湯、入れて来るよ!」

そう言って彼を離し、
唇に触れるだけのキスをした。

すると彼は、俺を引き寄せ、
肩に顔を埋めると、

「翔ちゃん...ありがと..」
と言った。


...何だよ...
狙ってなくってそれな訳?


キュンとしたじゃんか///
持ってかれるわ!毎度のことだけど。




お湯を張りながら、
ふと脱衣所の棚を見ると、

新しいローションがスタンバっていた。

思わず...赤面するって///


智が、準備万端にそこに置く姿を想像し、

自然とニヤケてしまう(〃ω〃)



しかし、

人をキュンとさせる、
あんな顔した智が、

今日はさっきまで、
ヤル気満々だったよなぁ~...


初日なのに、俺が、ソッチ~...?

もう、あの人、
メイド服忘れてるといいんだけど...


俺は、複雑な気持ちを抱えたまま、
風呂にピンクの入浴剤を落とした。


こうして、
俺たちの、新婚初夜?
は、幕を開けた。




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