第25章 新しい生活が始まる
それ自体が、もう、衝撃だった。
『一緒になるって...』
母ちゃんが言ったことに、
何て答えていいのか分からないでいると、
「そうならそうと、早く言ってよ~。
つい最近まで、
パンツ買ってやってたみたいに、
お嫁さんも、私が探すのかなって、
心配してたんだから!」
「お嫁さんって...」
「櫻井くんは、『智くんと一緒に暮らします。
一生大切にします』って。
......よかったね、
好きな人と一緒になれて、智」
「えっ??」
俺はもう、思考がついていかない。
翔ちゃんが俺の母ちゃんに、
そんな挨拶してたことも、だし、
母ちゃんが、
それを喜んでくれてるらしいことも...
黙ってる俺に、
「智さ...母ちゃんが知らないと
思ってたの?智の気持ち...
帰ってくるたびに、
『翔ちゃんが、翔ちゃんが...』って。
昔っからそう。
そんな好きなら、
一緒になれればいいのに...って、
ずっと思ってたんだから...
よかったね..願い叶って...」
「......母ちゃん...」
嬉しいのと、照れくさいのとで、
俺は俯いて赤くなるしかなかった。
「櫻井くんなら、
安心してお前のこと任せられるよ...
自慢の息子って訳でもないけどさ...
それでも、私にとっては、
たった一人の大切な息子だからね...
幸せになって欲しいと思ってるよ(^^)」
「...かあちゃん...」
涙が...溢れた。