第5章 キミの笑顔が見たいから
彼は、黙って俺の胸に顔を埋めている。
「辛いんだよ。
無理して笑ってる雅紀を見るの...」
せめて、俺たちの前では、
悩んでることも、
疲れてるときも、
ちゃんと見せて欲しい..
苦しいときは、
もっと辛いって顔をしていいんだよ..
「...甘えても、
...翔ちゃんに、甘えちゃっても、いいの?」
俺の肩先で、分からないように、
鼻を啜った彼。
「いいに決まってるだろ~?
逆にさ、
俺の前で、頑張り過ぎたら、
イエローカード出すから!」
フフフッ....
笑ってゆっくり顔を上げた相葉くん。
潤んだ瞳で俺を見て、
「じゃあさ、ずっと俺のこと、
見ててくれるの?翔ちゃんが...
....俺きっと、頼っちゃうよ?」
「いいに決まってるだろ~?
頼ってもらえば、俺も嬉しいし...」
そう言いながら、
彼の細い腰を離そうとすると、
今度は、相葉くんの方からしがみついて来て、
「嬉しい(^-^)
じゃ、また俺んち、来てくれる?」
ちょっと媚びた感じで甘える相葉くんが可愛くて、
励ましているはずの俺の方が、
ふんわり、優しい気持ちになれた。