第24章 On Special Day !!
【 翔side 】
タクシーで、半ば強引に智をお持ち帰りした。
彼は、事務所の言いつけを気にしてたけど、
正直、そんなのどうでもよかった。
その位に、この瞬間の俺は、
智と離れられなくなってたんだ。
運転手に分からないように、
こっそり手を繋いだ。
その温もりに、泣きそうになる。
握り返してくれるその強さに、
心が震える...
君が好きだ...
早く二人になりたい。
大好きな、大切な人の温もりを、
身体中で感じたかった。
幸せいっぱいの田中と小林を見て、
「俺たちも結婚しようか」
と、冗談ぽく言ったけど、
実は、結構マジだったんだ...
いつだって考えてた。
これからのこと...
智との将来のこと。
いつまでも相葉くん家で
逢引してる訳にもいかないしさ...
...たまに、彼らも付いてるし///
『しばらく離れて暮らせ』
事務所にそう言われて、離れたけど、
離れたからこそ気付けた自分の思い...
『智といたい』
もう、誤魔化すなんてできない。
事務所に話しに行こう...
俺の気持ちを、正直に話そう。
智を友達に会わせることが
目的だったこの旅行で、
俺は、彼への気持ちを再確認した。
写真誌に撮られるかもしれない...
そんな懸念よりも、
自分の気持ちのままに動いた...
優等生を貫いてきた俺が、
初めて事務所の方針に逆らった。
筋を通してきた俺の、
そんな行動に、一番驚いていたのは、
他ならぬ、自分自身だった。
『余裕ないな...』
少し、笑えた...