第5章 キミの笑顔が見たいから
それから暫くして、相葉くんは目を覚ました。
虚ろな目で俺を見つけると、
「翔ちゃん..来てくれたんだ..」
と、笑った。
太陽のようなその笑顔が、
かえって今は痛々しく、
胸が痛かった。
俺は、先生を呼び、診察を受けて、
帰っていいことになった。
それから、俺の車で、
相葉くんのマンションまで送っていき、
ふたりで部屋に入った。
久しぶりの彼の部屋....、
そう思っていると、
「翔ちゃん来るの、久々だよね?」
と相葉くんは、笑った。
「風呂入る?」
「うん...今日は、もう休みたいかな....」
そんなふうに、弱ったところを見せない彼、
余程、しんどいんだな。
「じゃあ、もう寝ろよ。」
俺は、彼を寝室まで連れていき、
スエットに着替えさせた。
「ほらっ、やってやるよ..」
シャツを脱がすと、痩せた身体が現れた。
「ちゃんと、食べてんのかよ」
「この頃、食欲なくってさ...」
そんな時まで、笑って見せる彼が、
どうしようもなく切なくて、
俺は、彼の痩身を抱き締めた。
「翔ちゃん!」
相葉くんは、一瞬驚いた感じだったけど、
そのまま、俺に身体を預けていた。