第23章 これから行く道
「夕食、6時からだって!
風呂、入っちゃう?」
智にそう聞いたけど、
ベッドに俯せて答えない。
俺は、隣に腰を下ろして、彼の髪を撫でた。
「...疲れた?」
すると彼は、少し顔を上げて言った。
「翔ちゃん、俺、来てよかったよ...
誘ってくれて、ありがとね。」
そんな彼が、可愛くて...
「そう言って貰えて、俺も嬉しいよ..」
もう一度、彼の頭を撫でようとして、
不意にその手首を掴まれた。
驚く俺の腕を、そのまま引き寄せるから、
俺は智の上に重なるように倒れた。
「翔ちゃん、超かっこよかったしね♪」
耳元でそんなこと言われて、
俺は、胸がキュン..となる。
「まあねぇ~...」
照れながらも、
背中にそっと手を回した。
智の匂いに、酔いそうだ...
このままいってしまおうかな、
と思い始めたとき、
さっと俺の下から抜け出して、
「お風呂、入ろうかな~♪」
と、呆気なく立ち上がる彼。
.....えーf(^^;
折角さぁ...ちょっと、
楽しもうかと思ったのに...
そんな俺の気持ちを分かってんのか、
いないのか、
「一緒に入ろー!
マッサージしてくれるんでしょ~?」
智はニヤリと笑ってた。
俺も笑って立ち上がる。
「よし!露天風呂入ろっか?」
俺たちは、部屋についている内風呂、
といっても桧作りの
立派な風呂に入ることにした。
そこから出られる露天の岩風呂からは、
遠くに、ゲレンデのナイターの灯りが
キラキラ光って見えていた。