第23章 これから行く道
【 翔side 】
智が、俺の仲間たちの間で、
楽しそうに笑ってる。
溶け込んでさえしまえば、
元々が愛されキャラの彼だから、
楽しくやれるって、
分かってはいたんだけどね。
.....肩をすくめて笑う智の横顔を、
俺はこっそり見ていた。
するとだよ。
「大野くんのこと、ホント、好きだよね..」
いつの間にいたのか、
元カノがこっそり、そう言った。
「..えっ?...いやぁ...」
一瞬言葉に詰まる俺に、
「私は、いいと思うよ~♪
お似合いだもん!二人。」
「何言ってんの~..んな訳ないじゃん!」
全力で否定したつもりだけど、
「目がね...大野くんを見る翔くんの目が、
私と付き合ってたときの、
あの目...だもん...分かるって!」
「.....」
「大切なんでしょ~、彼のこと。
応援してるから、頑張って!」
そう背中を思いっきり叩かれた。
.....目..?
目..ってさ。
俺いったい、どんな目で、
智を見てんだよ..
俺たちは4時前には切り上げて、
ホテルに戻った。
「大野くん、後半転んでたもんね~
サクショー、マッサージしてやれよ!」
と友達に言われて、
「もうさぁ、脚がガタガタだよー..」
そう笑う智に、
ちょっとキュンとなる。
「どの辺から揉みましょうか、お父さん♪」
「よかったー、おじいちゃんじゃなくて♪」
智の返しに、みんなが笑った。
.....俺の見たかった景色が、
そこにあった。