第23章 これから行く道
「お~!こっちこっち!」
友達の田中くんが手を振って迎えてくれた。
俺たちが席に着いて、
ビールを注文していると、
他の友達もどんどん集まってきた。
「大野くん、滑れるようになった?」
「いや~...難しいよね~..」
そう言って笑うと、翔ちゃんは、
「そんなことないよ!すごい上達したよー。
午後は合流できそうだよね..智♪」
......今さ、『智』って呼んだよね..
みんなの中では、
『大野さん』だったでしょ?
すかさず、女の子の一人が気付いたのか、
「なんか、ふたり、恋人同士みたいね~」
と..揶揄い口調でそう言った。
「俺ら、つきあってますからぁ~♪」
ふざけた口調で、俺の肩を抱く翔ちゃんに、
ちょっと、ドキッとした。
「おっと~!!元カノとしては、
穏やかじゃないかな~?」
「もう!!昔のことでしょ??」
笑ってそう言う彼女と、
それを目を細めて聞いている翔ちゃん...
......えっ?今、なんて?
『元カノ』って、言った??
動揺を覚られないように、
俺も笑って見せたけど。
絶対に引きつってたよな~///
それから、みんなでワイワイ飲んで、
食べて、ゆっくりしてから、
ゲレンデに行くことに。
「俺、トイレ...」
「じゃあ、俺も行っとこうかな..」
翔ちゃんのトイレに、俺もついて行った。
...もちろんさ、
あのこと、聞いとかなきゃ...
でしょ?